日本ミツバチを飼うには当然ながら巣箱が必要になります。本来、野生種の日本ミツバチは山野の木の洞などに住んでいます。しかし、それでは養蜂にならないので巣箱を用意して庭先に移住して頂くことになります。熊ではないので山野を駆け回って木の洞に手を突っ込んで蜂蜜を採るというわけにはいかないですから。
重箱型
一番多く使われている巣箱でしょう。私も重箱型の巣箱を使っています。重箱という名前の通り一辺が30cm、高さが5cm~50cmくらいの木枠を重ねて巣箱にします。私の巣箱は6段の重箱型です。重箱にするのは管理がしやすいからです。日本ミツバチは巣箱の上の方から下の方に巣をつくっていきます。
ミツバチの巣は上の方が蜂蜜の貯蔵エリア、下の方が幼虫などの居住エリアになります。蜂蜜の採取の場合は貯蔵エリアだけ取って、居住エリアはそのままにしておきたいわけです。居住エリアを潰すと住めなくなって蜂が逃げてしまいます。
そんなときに重箱型にしておくと上の段だけ切り取って蜜をとることが出来るという訳です。
胴丸型
木の丸太をくり抜いてつくる巣箱です。丸太をくり抜くのにはチェーンソーや長い柄のついたノミのような独特な道具を使います。作った人の話だと慣れるとそれほど難しいものではないということです。
胴丸型は日本ミツバチが一番入りやすい巣箱だと言われています。自然木の洞などに巣をつくるのですから納得できます。しかし、蜂蜜を採取するときに巣を全部とらないといけないので蜂が逃げてしまいます。
胴丸型の愛好家も多く山中でよく見かけます。胴丸型と重箱型のハイブリッド版もみたことがあります。ミツバチに入ってもらう集蜂用には良いかもしれません。
単箱型
重箱の段がなくて1段のみの箱型の巣です。胴丸型から重箱型へ移る過渡期のタイプと思われます。まぁ、作るのが簡単です。しかし、その分、蜂蜜採取時に巣を全部とるなどのデメリットが多いタイプです。折角つくるのでしたら重箱タイプが良いと思います。
可動巣枠式
西洋ミツバチの養蜂によく使われるタイプの巣箱です。日本ミツバチに関わりの少ない方にとってミツバチの巣箱というと、このタイプの巣箱をイメージするでしょう。いくつもの巣枠を箱にならべて置きます。蜂たちは枠ごとに蜜の貯蔵や幼虫飼育をするので蜂蜜の採取もやり易いというメリットがあります。デメリットは作るのが難しいということです。西洋ミツバチ用の巣箱は販売されていますが、日本ミツバチ用はサイズが違うようです。
まとめ
日本ミツバチは西洋ミツバチと違ってミツバチの収集が少ないので、商業養蜂が成り立ちません。田舎に住んでいる愛好家が飼っているミツバチです。したがって巣箱も販売されている物が少なく、ほとんどは自作のものとなります。巣箱を自分で作って、その巣箱にミツバチを呼び込み育てていく。そんな手作りの庭先養蜂だから面白いのです。