以前に霧島六権現の狭野神社を紹介しましたが、そこから霧島連山の向かってほどなく進むと皇子原公園があります。ゴーカートやバンガロー、渓流釣りをありわえる釣り堀などもあり、休日は一日中、子供たちの歓声が聞こえています。
その公園の一角にある小さな祠が皇子原神社です。
公園の駐車場に車を停めると朱色に塗られた鳥居と石段が目に入ります。そのやや急な石段を登っていくと二の鳥居があり、その奥に小さな祠があります。杜の中の小さな祠は大きな社を持つ神社とは違った静かな佇まいで出迎えてくれます。
皇子原神社は神武天皇のお生まれになった地とされています。神社の後ろに回ると大きな石があります。この石は「産婆石(うべし)」と呼ばれており、この石の所で神武天皇が誕生されたということです。神社前にある由緒書きには、この皇子原神社は玉依姫(タマヨリヒメ)が神武天皇を出産されたときの産屋跡という言い伝えが書いてありました。
ちなみに、この産婆石に触ると安産になるそうです。
皇子原神社は狭野神社の末社になります。かっては、今の皇子原神社の場所に狭野神社があったということです。狭野神社が現在地に移った後に作られたのが皇子原神社という事です。
皇子原神社の周りは古墳群になっているようです。公園内の案内をみると6基の古墳が点在しており、皇子原神社そのものも、古墳の上に鎮座しているとのことです。これらの古墳は五世紀頃のの地下式横穴墓と考えられています。
皇子原公園は花の美しい公園です。特に秋の曼珠沙華の群生は有名です。斜面一面が真っ赤に染まる光景は必見の価値があります。皇子原神社は、ぜひ曼珠沙華の咲く頃にして訪れて下さい。
皇子原公園の背後には高千穂峰が見えげるように屹ています。高原側から高千穂峰へ登る登山道は三つのルートがあります。御池ルート、東神社ルート、そして皇子原ルートです。その皇子原ルートは、この皇子原公園を通り抜けていったところに登山口があります。
また、同じように皇子原公園を通り抜けた先には矢岳の登山口もあります。皇子原公園が曼珠沙華の花で赤く染まる頃は、ちょうど矢岳の山頂が見返草で紫に染まる頃でもあります。
山を彩る花々を愛で、古の出来事に思いを馳せ、神社聖域の厳かな空気に身を置いて、秋のひと時を過ごてみてはいかがでしょうか。おすすめです。
皇子原神社 データ
所在 | 宮崎県西諸県郡高原町蒲牟田3-251 |
主祭神 | 神倭伊波礼天皇(神武天皇) |
旧社格 | |
創建 | |
例祭 | 四月八日 |
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