そのあまりの美しさに思わず振り返るから「見返草」という名がついたのだそうです。
名前の割には地味な花です。
草の丈は低く、大きな葉っぱが着いています。シソ科という由来を示すような青シソの葉に似た大きな葉っぱです。そこに細長い穂を出して薄い紫色の花が沢山つきます。筒状の花から突き出した雌しべ、雄しべが印象的です。
霧島では矢岳の群生が規模が大きくて、毎年綺麗な花を見せてくれます。秋口の霧島を彩る花です。矢岳は花の多い山で、初夏にはヤマボウシの白い花が山肌を飾り、秋には見返草の花畑が出現します。夏椿も見かけました。
矢岳山頂に向かう登山道では、山頂に近づくにつれ見返草が現れてきます。皇子原方向(東)、竜王山方向(西)、どちらでも見ることが出来ます。
しかし、一番の群生地は大幡沢方向(北)へ暫く進んだ場所です。一面が見返草の紫色で埋め尽くされています。
似た花に天人草があります。見たことは無いですが、こちらは淡い黄色の花だそうです。天人の草とは素敵な名前ですね。
ところで見返草は別名イトカケソウ、その飛び出した雌しべ、雄しべかたついた名とか。
その変種がオオマルバノテンニンソウ (大丸葉の天人草)、葉っぱが丸くて大きいのが特徴だそうです。黄色い花の天人草と紫色の見返草、そして見返草の変種が天人草の名を持つ。親戚同士とは言え、ちょっとややこしい関係ですね。
日本名 | 見返草 |
場所 | 矢岳に群生 |
時期 | 9月~10月 |
学名 | Leucosceptrum stellipilum |
科名 | シソ科テンニンソウ属 |
メモ | 別名:イトカケソウ |