宮崎県は太平洋に面し、南北に長い海岸線を持つ県です。その海岸線を辿るように神武天皇の東征神話が残っています。その海岸線の中ほどにあるのが日向国一宮である都農神社です。
都農神社も神武天皇の伝承が残っています。由緒のよると創建されたのが神武天皇の東征のおりに、この地で鎭祭されたのが都農神社のはじめとあります。都農町の隣町である美々津町では神武天皇の御船出の伝承が残っています。御船出の前に海の旅の無事を祈念されたのでしょうか。それにしても随分と古い話です。
宮崎県の海岸沿いを南北に貫いているのが国道10号線です。都農町の辺りは平野部で国道の両端には農園が広がっています。そんな中、10号線を車で走らせていると突然、大鳥居が現れます。都農神社の大鳥居です。帰省時にいつも見かける鳥居ですが、正月ということもあり立ち寄ってみました。
参道をすすむと立派な拝殿が見えてきます。さすがに一宮の風格です。都農神社は歴史もあるのですが、その昔は随分と広大な境内を誇っていたようです。大分の大友氏の日向侵攻の際の戦災で、その社殿、文書、社宝がことごとく焼失したそうです。その後、小さな祠が残っていたようですが、江戸時代になって高鍋藩主である秋月氏により再興されたとのことです。
境内には拝殿、本殿、そして神楽殿があります。拝殿の左手には池があり大きな鯉が泳いでいました。時折、鹿威しの音も聞こえる日本庭園です。その奥には茶室もありました。社殿をとりかこむ神奈備の杜も緑豊かで和みます。訪れたのが正月の賑わいの中でしたが、次は静かになった杜をゆっくりと歩きたいものです。
都農神社の隣には道の駅があります。地元の野菜などが所狭しと並んでおり、道行く人々の憩いの場になっています。都農神社からは都農川を挟んで向かい側になり、最近は橋もかけられ往来できるようになっています。地元の農家の方々が持ちよった新鮮な野菜をいくつか買って帰りました。
都農神社 御朱印
都農神社 データ
所在 | 宮崎県児湯郡都農町大字川北13294 |
主祭神 | 大己貴命 |
旧社格 | 国幣小社 |
創建 | 神武天皇即位6年前(伝承) |
例祭 | 12月5日 |
メモ | 日向国一宮 |