ガンダムやエバンゲリオン、懐かしくはマジンガーZなど巨大ロボットアニメは一大ジャンルを形作っています。その出発点とも言えるアニメが鉄人28号です。
巨大ロボットをリモコンで操って悪人たちをやっつけるという非常に分かり易いストーリーです。リモコンで操作するいうのが判り易いですね。のちの巨大ロボットたちはだんだんと複雑になってきて操作も大変なようですが、鉄人28号は誰にでも操縦できるような感じがします。リモコンにはボタンが3個しかなかったです。
金田少年が鉄人28号を操縦するときはボタンをおすよりも、敵を指さして「いけ!鉄人」と叫んでいました。もしかしたら、あのリモコンはボタンで操作するのではなく音声認識機能があったのかもしれませんね。
まぁ、しかし、50年前の少年たちはそんな疑念など露ほども持たず、ただただ、あのリモコンが欲しいと思っていただけでした。
鉄人28号の放送が始まったのは昭和38年の10月です。昭和38年はテレビアニメ元年ともいえる年です。その年の1月には最初のテレビアニメとも言われる鉄腕アトムは始まっています。
鉄腕アトムと鉄人28号は随分と様子が違います。鉄腕アトムは自立型で人間と同じくらいの大きさです。空を飛んだりする能力はともかく、非常に人間らしいロボットです。
それに対して鉄人28号は巨大で力強いですが、意思というものがありません。あくまで機械であり、操る人によってどうにでも動きます。当然ながらしゃべりません。
しかも兵器として開発されたロボットです。その後に登場するマジンガーZやガンダム達もしゃべらないし勝手に動いたりしないロボット兵器です。
鉄人28号のリモコンは時々悪者に盗まれています。鉄人28号は操縦者の意思に忠実に従うので、悪者が操縦すると悪の手先になってしまいます。そんないつもと違う鉄人28号を心配しながら見ていると、やがて金田少年が取り返して「ほっ」とするわけです。
鉄人28号のネーミングはアメリカの爆撃機B-29から来ていると言われています。鉄人28号自体も、戦時中に軍が開発していたロボット兵器と言う位置づけです。放送が開始された昭和38年は戦後20年弱であり、製作者たちも戦争の記憶が生々しく残っていた時代かもしれません。見ている子供たちは、そういった描写をどう感じていたのでしょうかねぇ。私は全く気にせずに鉄人28号の活躍が面白かった記憶しかありません。見ている少年たちは戦争を知らない世代でした。
鉄人28号の最終回で金田少年が「また会おうね」と言っていたのを覚えています。まぁよくある挨拶ですが、私は放送再開をずっと待っていました。
私は知らなかったのですが鉄人28号のテレビアニメは2013年の「鉄人28号ガォ!」まで5作が放送されたようです。その他にも劇場版、実写版などあり実物大のモニュメントが作られたこともあったとか。