止上神社は私達家族が初詣にいく神社です。年が明けるのを待ってお参りにいくと、境内では焚火が燃やされており、お神酒やぜんざいのふるまいがあります。
それほど大きな神社ではないですが、随分と古い神社です。神社の後ろには尾牟礼山があります。以前はその山頂に神社があったそうで、山全体がご神体だったということです。今でも山頂には石の祠があるそうですが、登ったことはありません。
止上神社の周りにはハヤト族の名残が沢山残されています。
720年にハヤト族が大和朝廷に対して大規模な反乱を起こします。その時に最後に立てこもったのが比売の城と言われています。ハヤト族の抵抗は凄まじかったようで鎮圧までに1年余、斬首、捉えられた者が千四百人余と言われています。
止上神社から西の方にみえる小高い山は「比売の城(ひめのき)」の跡とも言われています。今でもこの辺りは姫城という地名がのこっています。
また、止上神社から程ない田圃の中には「重久の隼人塚」があります。ここは、その時のハヤト族の首塚とも言われています。
止上神社の一帯は古代の争いの舞台だったのかもしれません。
止上神社は随分と古い神社で55面の神面が残っています。このお面は現在、城山公園にある国分郷土館で見ることができます。創建は不詳となっていますが、社記によると景行天皇の御代にさかのぼるとありますから随分と古い話です。
止上神社のご祭神の日向三代の夫婦神です。境内には火蘭降尊(海幸彦)や大隅命(ハヤト族の首長)も祀られており、もとはハヤト族の神々を祀る神社だったという説もあります。
古の戦いの地、ハヤト族の息吹の残る地、そして今は静かな田園の中に佇む止上神社、興味深い神社です。
止上神社 データ
所在 | 霧島市国分重久1896 |
主祭神 | 彦火々出見尊、豊玉姫命 瓊々杵尊、木花咲耶姫命 葺不合尊、玉依姫命 |
社格 | 郷社 |
創建 | 不明 |
例祭 | 旧一月二十四日 |
メモ | 神面五十五面 |