海に浮かぶ鳥居というと世界遺産の厳島神社を思い浮かべますが、その厳島神社を彷彿させる神社が鹿児島にもあります。
荒平天神は小島にある小さな天神様です。天神島とよばれる小島は海岸と中州でつながっており、その中州に朱色の鳥居が建っています。満ち潮の時に訪れると、その朱色の鳥居も潮に洗われるようになり、まるで鳥居が海の中にあるように感じます。
垂水から県道78号線を鹿児島最南端の佐多岬へ向かって車を走らせると、美しい海岸線の中に赤い鳥居が現れます。この辺りは海岸線が美しく、時には対岸の開聞岳を展望することができます。特に夕陽の中に浮かぶ荒平天神の美しさは素晴らしいものがあります。
荒平天神は天神島の天辺にあります。中州を進んで行くと階段がありますが、ほどなく急傾斜の階段となります。登りやすいようにロープが用意してあるほど急な階段です。上り詰めると小さな神社があり、天神様が祀られています。登り口付近には地域の方々が集っていた建屋の跡のようなものがありました。今も昔も信仰の場所とともに、憩いの場所でもあったのでしょう。
教育委員会による荒平天神の由来書きによると、ご神体は木の像で大正12年に神社が炎上した際にも無事だったとあります。
天神様は学問の神様として、日本全国津々浦々に祀られています。祭神はもちろん、菅原道真公です。荒平天神の社殿横にも道真公の「東風吹かば・・・」の和歌の碑がありました。この石碑は改築の際に作られたものらしく、「菅原神社改築工事」とあります。荒平天神の名称で親しまれている神社ですが、正式名称は菅原神社のようです。
荒平天神 データ
所在 | 鹿児島県鹿屋市天神町4014 |
主祭神 | 菅原道真公 |
旧社格 | |
創建 | 天文年間(戦国期) |
例祭 | 十月二十五日 |
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