鹿児島神宮から日当山、蛯子神社へ向かう径は神社も多く桜など花々の植栽もあり素敵な散歩道です。その径で鹿児島神宮からほどなくして現れるのが石體神社(しゃくたいじんじゃ)です。
石體神社は安産祈願の神社として有名です。霧島周辺の若いお母さんはもちろん、遠くから安産祈願に訪れる方が多い神社です。安産祈願として小石を持ち帰ります。
石體神社には普通は宮司さんがいらっしゃらない小さい神社ですが、戌の日には宮司さんがいらっしゃって安産祈願が行われます。
安産祈願は5ヶ月に入った最初の犬の日にお参りします。お参りする時は岩田帯を買っていって、安産祈願をしてもらいます。岩田帯を巻くのも妊娠五ヶ月の戌の日と言われていますね。ちなみに石體神社は岩田帯発祥の地と言われていますが本当でしょうか。
拝殿の裏手、本殿との間に小石が積まれている所があります。安産祈願にお参りした時に、この小石を1個持ってかえります。そして無事に子供が生まれたら河原の小石を1個加えて2個の小石をお返しします。
小石はどれも円やかな石でお母さんの思いが詰まっているようです。中には子供の名前やお礼の言葉が書いてある、仄々とする小石も見受かられます。
石體神社の参道は短いですが緑に包まれた趣のある石段です。石段を登っていくと狛犬が出迎えてくれます。小さいですが台座が苔むしてをり年代を感じさせてくれます。
石體神社の入り口は広場になっていて、そこには高千穂宮跡という石碑が建っています。その昔、この地に皇居があったという事ですが・・・さて、どうでしょうか。
また、広場には斎藤茂吉の歌碑があります。
石體の神のやしろに小石つむこの縁さへ愛しかりけれ
石體神社の小石の一つ一つに子供を宿したお母さんの想いと、生まれてきた子供の生涯が思い起こされます。この小石は、まさに人知のはかり知らないところで生じる親子の縁の象徴とも言えます。
石體神社 データ
所在 | 鹿児島県霧島市隼人町 |
主祭神 | 天津日高彦穗穗出見尊、豊玉比賣命 |
社格 | |
創建 | 和銅元年(708年) |
例祭 | |
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